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目次
東京大司教土井枢機卿様の認可文
序論:聖母マリアの小聖務日課について
(デルコル神父様)
1. その起源
2. その成り立ち 3. 各時課の説明 4. 小聖務日課のとなえかた 5. 得られるつぐのいのなだめ 6. 小聖務日課のすぐれたこと
Matutinum 朝課
Laudes 賛課 Prima 一時課 Tertia 三時課 Sexta 六時課 Nona 九時課 Vesperæ 晩課 Completorium 終課 |
聖母マリアの小聖務日課とは? 「序論」の冒頭から---
聖母マリアの小聖務日課について
神の聖母に対する尊敬は、キリスト教とともに生まれたといえるほど古代からのものであって、神とキリストに対する尊敬についで、カトリック教会の典礼のなかで高い位を占めている。教会の神秘的な体の代表者として、聖職者から信者一般の名によっておこなわれる教会の公式祈りである聖務日課には、すでに聖母を賛美する日課が種々あるが、聖母に対する尊敬と熱愛を正式にしめすという目的で、聖職者が日々となえる公式の大聖務日課に、その形をまねて簡単にしたものが、この聖母の小聖務日課である。
1. その起源
その起源は、教会歴史家助祭ペトロによると、教皇グレゴリオ2世(714-731)にさかのぼるもので、のちに聖ペトロ・ダミアーニが完成し、教皇ウルバノ2世によってクレルモンの会議(1095)において正式に認可され、大聖務日課とともに教会の公式祈りに加えられた。
それからしばらくの間、司祭は大聖務日課のつぎに、この小聖務日課をもとなえる義務があった。のちに教皇ピオ5世によってこの義務が廃されたが、おおくの修道会会憲にはそのまま保留されて、その所属する修道会会員はこれを日々団体でとなえる義務がある。一般信者にはこの義務はないが、聖母に対する熱愛をしめすために、毎日、あるいは用務にさまたげられないとき、これをとなえるものも少なくない。
じつに、この小聖務日課は、聖母に対する最大の信心行であり、歴代の教皇もせつにすすめ、これをとなえる信者には多くのつぐのいのなだめが与えられている。つまり、1日の分を全部となえる者は10年のつぐのいのなだめ、朝課と賛課のみを、あるいは他のどの時課でもとなえる者は、1日に1回500日のつぐのいのなだめ、1個月つづいて全部となえる者は、全体的ななだめを1回得ることができる(9ページ参照)。